Euphorbia(ユーフォルビア) 自然とともに、生きる

梅干し、梅湯、梅しごと。傷を癒し、希望を運ぶ「梅」のちから

Release 2025.06.19 / Update 2025.06.27

なんとなくやる気が出なかったり、心の奥にずっとふさがったままの痛みを感じることはありませんか?
そんな時に、梅はあなたの「再生する力」を静かに呼び覚ますサポートになります

冬を超えて最初に咲くその姿は、あなたの中にある「芽吹きの力」を思い出させてくれるかもしれません。

再生と希望の梅

凍てつく冬の空気のなか、一足早く梅の花は咲きます。
まだ風が冷たくても、まだ誰も「春」を感じていなくても、梅はただ黙って花をひらく。
それは、「再生」という名の勇気。
凍えた心にも、あたたかな光を差し込む力。
桜よりも静かに、けれど確かに、「希望」をこの世界に告げる植物。それが、梅なのです。

塩と太陽の記憶 「本物の梅干しのちから」

梅の真価は、その実にも宿ります。
とくに、昔ながらの天然塩で漬けられた無添加の梅干し「本物の梅干し」は、一粒で身体も心も守る、日本人ならではの「食のお守り」です。

  • 天日干しされた太陽の恵み
  • 赤紫蘇で包まれた抗酸化力
  • 自然塩による防腐・整腸・浄化の作用

これらがひと粒に凝縮され、そのエネルギーは「魔除け」としても用いられてきました。

「一日一粒、梅干しを食べれば医者いらず」という言葉は、単なる迷信ではありません。
それは、大地と太陽と人の手が織りなす、祈りの結晶なのです。

梅の霊的ちから、スピリチュアリティ

梅は、冬の終わりに咲きます。
それは、痛みや喪失のあとに訪れる、ひと筋の希望を象徴する花
古くから、疫病除け・厄払いとしても用いられ、平安時代の貴族たちは、梅の枝を飾り、香りを身にまとって、心身を清めました。

梅の香りは、見えない痛みを包み、見えない希望を芽吹かせる
それはまるで、傷を抱えたまま生きるわたしたちに、「そのままで、咲いていい」と教えてくれているようです。

日々のお守りに、梅を取り入れる

梅のちからと霊性を、暮らしの中に取り入れる方法をご紹介します。

1. 本物の梅干しを一粒、朝にいただく

空腹の胃に浄化と生命力を与える“塩のしずく”になります。
疲労回復、消化促進、整腸作用、免疫力向上、美肌効果など、梅干しを食べるだけでさまざまな健康効果が期待できます。

2. 疲れた日に梅湯を飲む

梅干しにお湯を注ぎ、ほんの少し醤油をたらしてゆっくりいただきます。
とろろ昆布をひとつかみ入れるのもおすすめです。
身体がほっと緩み、エネルギーが戻ってくるのを感じるでしょう。

3. 梅を使った手しごと

6月頃に行う梅しごと(梅干し・梅酒・梅シロップなどの保存食を作ること)には、時間と共に変化する季節の知恵が宿ります。
梅の香りを感じながら丁寧に仕込む時間は、自然の尊さと豊かさを教えてくれます。

4. 梅の花の香りを感じる場所へ

香りの薄い現代種ではなく、古木や神社の梅園には「魂を整える香気」が今も漂います。
1月〜4月頃の寒さと暖かさが行き来する季節、焦燥感にかられて心がざわついたり、疲れやすいと感じたら、梅の花の香りを感じでみてください。

梅は、痛みのあとにやってくる光

人生には、どうしても寒くて動けない時があります。
心も体も固まって、もう春なんて来ないんじゃないかって思うような日々。

でも、そんな時こそ、梅の花が咲くのです。
誰も見ていなくても、誰にも褒められなくても、梅はただ、自分の季節に花を開く。
それは、痛みの上に咲く美しさ。そして、自分のタイミングで咲いていいという、魂への許し

あなたの中にもきっとある、まだ咲いていないつぼみに、この言葉がそっと届きますように。

さいごに

次回は、すべてを包み込む「塩」について。
火・水・風・土 すべてのエレメントを媒介する、“結晶”としての塩。
その魂の記憶と暮らしに活かす智慧を、やさしくに紐解いていきます。

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