「いつも不安で眠れない…」思いを受けとめるからだの器官、胃と不安の関係【からだはこころのサイン #02】
Release 2025.09.19 / Update 2025.12.02
「私、ちゃんとできていたかな」
「迷惑をかけてしまったかもしれない」
「もっと頑張れたはず…」
そんなふうに、ふとした瞬間に胸がざわついて、不安が積み重なって眠れない夜はありませんか?
人に会った帰り道、さっきの会話を思い出して「変に思われなかったかな…」と気になったり。
夜、寝る前に考えごとが止まらず、お腹のあたりがずっしり重たく感じたり。
それは決して「心が弱いから」ではありません。
本当は胃が、あなたの代わりにその不安をぎゅっと抱きしめてくれているのです。
この記事では「胃と不安」の関係を、東洋医学の視点からひもときながら日常に取り入れられる小さなセルフケアをご紹介します。
ここにある言葉が、あなたの心を少しでも軽くするきっかけになりますように。
INDEX
胃は思いを受けとめる器官(東洋医学の視点から)
東洋医学では、胃は単に食べ物を消化して栄養に変えるだけの場所ではなく、「思いを受けとめる器官」としても大切にされています。
食べ物だけでなく、日々の出来事や感情までも「自分の中に取り込む」場所。
だからこそ、人に気を遣いやすい人は、相手の言葉や態度、空気感までも全部「自分の中でなんとかしなきゃ」と抱え込んでしまいます。
そのやさしさが積み重なると、胃はだんだんと重たくなり、
「胃の不快感」や「食欲の変化」、「胃痛」という形でサインを出すのです。
つまり胃の不調は、「全部を一人で受けとめなくてもいいよ」という体からのメッセージでもあるのです。
実際にこんなサイン、出ていませんか?
- お腹のあたりが重くて、息まで浅くなる
- ごはんを前にしても「おいしそう」と思えない
- 緊張すると、胃がキュッと縮むように痛む
- 人に会ったあと、会話を何度も思い返して眠れない
- 「ちゃんとしなきゃ」と思うほど、胃の調子が乱れる
これらは単なる「気のせい」でも「心の弱さ」でもありません。
体が小さな声で「もう無理して抱えなくていいよ」と伝えているサインなんです。
不安を感じるとき、胃はまるで“心の受け皿”のように黙ってそれを引き受けています。
だから不調が出るのは、弱さの証拠ではなく、あなたが優しすぎて多くを抱え込んできた証拠なのです。
もし最近「食欲がないな」と思ったら、それは「まずは自分のことを労ってあげて」という合図。
夜眠れないくらい考えごとが止まらないなら、「今日もよくやったよ、もう手放して休んでいいよ」というサイン。
不安はあなたを責めるためにあるのではなく、胃を通して「本当の自分の声」を届けてくれているのです。
不安になる時の、裏側にある想い
不安は、ただの弱さではありません。
その裏には、いくつかの「想い」が潜んでいます。
- 責任感
「もっとできるはず」と、自分に課してしまう重たい宿題。 - やさしさ
「迷惑をかけちゃいけない」と、相手を思う気持ち。 - 孤独への不安
「ちゃんとしていないと嫌われるかも」と、人とのつながりを失う怖さ。
これらはどれも、あなたが人に寄り添えるからこそ生まれるもの。
つまり、不安は“ダメだから”生まれるのではなく、優しさや真面目さの裏返しなのです。
でも、その想いを抱え込みすぎると、胃が代わりに受け止めてしまう…。
そのときに胃は、「そろそろ自分のことも大事にして」とサインを送ってくれているのです。
どうして不安になるの?不安を生み出す種
不安は、表に見える「心配性」や「自信のなさ」だけが原因ではありません。
その奥には、心の深いところに眠っているいくつかの種があるのかもしれません。
完璧でいなければ、という思い込み
心理学では、完璧主義が不安を育てるといわれています。
「失敗したら価値がなくなるかも」という恐れが、常に心を追い立てます。
でもその裏側には、「誰かをがっかりさせたくない」「愛されたい」という願いが隠れているのです。
理想の自分と今の自分とのギャップ
「こうあるべき」という理想像と、「今の自分」との間にズレがあると、人は強い不安を感じます。 (心理学では“自己不一致”と呼ばれています)
母として、仕事人として、パートナーとして、完璧であろうとするほど、現実の自分との間に苦しみが生まれてしまいます。
幼いころに受けとめきれなかった気持ち
心理学者のアドラーは、人が不安を抱える背景には「劣等感」があると語りました。
幼少期に「ちゃんとしなさい」「もっとできるはず」と言われ続けた経験は、大人になっても「自分は足りない」という感覚を残し、不安の土台になります。
でもその感覚は、あなたが人一倍がんばってきた証でもあるのです。
不安は、あなたを責めるためにあるのではなく、「本当は安心したい」「愛されたい」という心の奥の声を届けてくれているもの。
その声に耳を澄ませたときに、不安は敵ではなくあなたを本当の自分へと導く道しるべへと変わっていきます。
不安を解消したい…!胃をゆるめるためにできること
不安はなくそうとするより、「やさしく受け止めながら軽くしていく」ことが大切です。
そのためには、胃をゆるめるための習慣を持つこと。
ここからは、胃と不安をそっとほどいてくれる工夫をいくつかご紹介します。
どれも暮らしの中で気軽に試せるものなので、気になるものがあれば今日から取り入れてみてくださいね。
胃をやさしく癒す、食べ物と飲み物
黄色い食材を取り入れる
カボチャやとうもろこし、さつまいもなど、黄色い食材は東洋医学で胃を支える「土の色」とつながっています。
食卓にひとつ加えるだけで、揺らいだ胃のエネルギーが整いやすくなります。
梅干し入りの葛湯(くずゆ)
不安で胃がきゅっと縮むときは、温かい葛湯(くずゆ)に梅干しをひとつ落として。
梅の酸味は気持ちが落ち着き、葛は緊張をゆるめてくれます。
じんわりと広がる温かさが、重たいお腹をふっと軽くしてくれます。
やさしい甘さで心をほどくハチミツ
胃がキリキリと痛むようなときは、ハチミツをゆっくり口に含んでみてください。
甘さは脳に安心の信号を送り、胃を守る粘膜も助けてくれます。古くから“心を和らげる自然の薬”として伝わってきた知恵です。
飲む安心の抱擁、甘酒
「飲む点滴」と呼ばれる甘酒。
あたたかくしていただくと、発酵のやさしい力が不安でこわばった心と胃をゆるめてくれます。
胸のつかえをそっと溶かしてくれる、安心の抱擁のような一杯です。
胃を緩めるための小さな行動
かかえた思いを外に出す「不安ノート」
ぐるぐる回る心配ごとをすべて自分で抱える必要はありません。
ノートに書き出してみると、胃の中でつかえていた「消化不良の思い」が外に出ます。
書いた紙を丸めて捨てると、さらに解放感が生まれます。
冷え対策!足首をあたためる
足首は冷えが入りやすい場所。実は胃ともつながりが深いのです。
レッグウォーマーや靴下で足首を守ると、胃の緊張がゆるみ、不安も静まりやすくなります。
夜眠る前の足首あたためは、心まで安心させてくれます。
土の香りでグラウンディング&アロマ
胃は「土」と「縁」の深い器官。
ガーデニングで土に触れたり、パチュリやサンダルウッドなどの香りを吸い込むと、不安でふわふわしていた心が地に足をつけてくれます。
「ここにいて大丈夫」という感覚を取り戻せます。
サプリメントでやさしくサポートする
本当は食事から整えるのがいちばんですが、忙しい日や不安が強い日には、サプリメントが小さな支えになってくれます。
ここでは、胃をそっと守ってくれる栄養素をご紹介します。
L-グルタミン
アミノ酸の一種で、胃や腸の粘膜を修復する働きがあります。
不安やストレスで胃が荒れると、表面のバリアが傷ついてしまいますが、グルタミンはまるで絆創膏のように修復を助け、「ゆっくり休んでね」と胃に声をかけてくれる栄養素です。
亜鉛(Zn)
細胞の再生や粘膜の修復に欠かせないミネラル。
不足すると胃が回復しづらくなります。
亜鉛は、働きすぎて疲れた胃に「もう一度立ち上がれる力」を貸してくれる、大工さんのような存在です。
マグネシウム(Mg)
神経伝達を安定させ、筋肉の緊張をゆるめる作用があります。
不安で心も体もこわばるとき、マグネシウムは「肩の力を抜いて」と全身に伝える栄養素。
胃の筋肉もやわらぎ、消化の流れがスムーズになります。便秘のサポートにもなります。
ビタミンB群(特にB1・B6)
糖質やタンパク質をエネルギーに変えるために欠かせない栄養素。
ストレスが強いとビタミンBはすぐに消耗されます。ビタミンB群をしっかり補うことで、胃が「ちゃんと働けるよ」と安心し、疲労感もやわらぎます。
プロバイオティクス(乳酸菌・ビフィズス菌など)
腸内環境を整える善玉菌。
胃腸は「第二の脳」と呼ばれるほど心とつながっており、腸が安定すると胃の負担も軽くなります。
ヨーグルトや納豆から摂るのもよいですが、サプリで補うと安定して続けられます。
サプリは「魔法の薬」ではありませんが、毎日の食事や小さな習慣と合わせることで、不安で疲れやすい胃をやさしく守り、回復を助けてくれる大切なパートナーになります。
おわりに
不安を感じるのは、あなたが弱いからではありません。
それは、責任感があって人を思いやる心を持っている証拠です。
ただ、そのやさしさをずっと抱え込んでいると、胃が代わりに重たさを背負ってしまいます。
不安や胃の不調は「もう一人でがんばらなくていいよ」という体からのメッセージなのです。
今回ご紹介した小さな工夫は、どれも一度に全部やる必要はありません。
「これならできそう」と思えるものから、暮らしに加えてみてください。
その小さな一歩が、やがて「私は私を大切にしていい」という実感につながっていきます。



